消灯(就寝)ラッパ

個人事で恐縮ですが、所用があって帰省してきました。実家にはまだ父が健在で暮らしています。

大正12年生まれ、今年の誕生日を迎えると満93歳。足腰はさすがに弱っていますがそれでも日常の家事や買い物などはすべて一人で行っています。

夕方晩酌につきあいながら昔話。父は先の太平洋戦争のことをそう多くは話したがらなかったのですが、今回は少し饒舌になっていたようです。

「消灯(就寝)ラッパを受け持っていたのだ。」とポツリ。「周りにはラッパを吹ける兵隊がいなかったので自分がその役を引き受けることになった、よく皆にお礼を言われたよ。」と。

少し悲しいメロディ、しかしそのメロディが流れれば、つかの間の安堵の時間だったのでしょう。誰といわず歌詞が付けられました。

「♪兵隊さんはかわいそうだね また寝て泣くのかね~♪」

音楽の力というのは、時に人を鼓舞し、また安堵もさせる…奥が深いと言えばそれまでですが…。

ラッパ